コードが書けなくても大丈夫。Claude × Gemini で cTrader に「AI分析ボタン」を自作してみた

2026年3月28日

コードが書けなくても大丈夫。Claude × Gemini で cTrader に「AI分析ボタン」を自作してみた

はじめに ── AI が AI のためのコードを書く時代

「AI を使えばコードが書けなくてもアプリが作れる」

こんなフレーズ、最近よく耳にしますよね。正直、半信半疑でした。プログラミング経験ゼロの自分がトレードツールなんて作れるわけがない、と。

でも、やってみたら 本当にできてしまいました。

今回つくったのは、cTrader のチャート上に「ボタンを1つ」置くだけで、裏側で Gemini AI がリアルタイムの市場データを分析し、BUY / SELL / WAIT を判定してくれるインジケーターです。しかもコードを書いたのは私ではなく、ほぼすべて Claude。つまり AI(Claude)が別の AI(Gemini)を呼び出すツールを設計した という、ちょっと不思議な構図になっています。

この記事では、完成したツールの中身と、制作中にぶつかったハマりポイントを共有します。「自分もやってみたい」と思っている方の参考になれば嬉しいです。


完成したもの ── ワンクリックで AI がチャートを読む

仕組みはシンプルです。

  1. cTrader のチャート上に 「AI分析」ボタン を1つ配置する
  2. ボタンを押すと、現在の市場データ(価格、ローソク足、インジケーター値など)を自動で収集
  3. そのデータを Gemini AI に送信し、分析結果を受け取る
  4. 結果をチャート上にわかりやすく表示する

たったこれだけ。「今この通貨ペア、AI 的にはどう見える?」がチャートを眺めながらワンクリックで確認できます。

表示される情報

表示もただの BUY / SELL ではなく、トレーダーが判断材料として使いやすいように工夫しました。

  • 売買判定(BUY / SELL / WAIT) ── AI が出した結論をシンプルに表示
  • TP(利確)・SL(損切り)ラインの自動描画 ── チャート上に水平線が引かれるので、エントリー後のイメージがすぐ掴める
  • 自信度バーグラフ ── AI がどれくらい確信を持っているかをパーセンテージで視覚化。60% と 95% では当然、ポジションサイズの判断も変わってくる
  • 判断の根拠(日本語) ── 「上位足の上昇トレンド継続中」「RSI が売られすぎ圏から反発」など、なぜその判定になったのかを日本語で説明してくれる

最後の「根拠の表示」が個人的にはいちばん気に入っています。AIの判定をブラックボックスのまま鵜呑みにするのではなく、「なるほど、そういう見方か」と自分のトレード判断の補助として使えるからです。

開発の流れ ── Claude との共同作業

開発の進め方は、正直に言うと技術者が聞いたら笑うかもしれません。

  1. 「こういうインジケーターを作りたい」と Claude に伝える
  2. Claude がコード全体を生成してくれる
  3. cTrader にコピペして動かしてみる
  4. エラーが出たらエラー文をそのまま Claude に貼る
  5. Claude が修正版を出してくれる
  6. 3〜5 を繰り返す

文字にすると単純ですが、これで 本当にちゃんと動くインジケーター が完成しました。プログラミングの知識がなくても、「何をしたいか」を言語化できれば AI が翻訳してくれる。そんな時代が来ているんだなと実感しました。

ただし、すべてがスムーズだったわけではありません。いくつか「これは自分で調べないと分からなかった」というポイントがあったので、以下にまとめます。


ハマりポイント集 ── 同じ轍を踏まないために

① Gemini 無料枠の制限は思ったより厳しい

Gemini API には無料枠があり、最初は「1分間に15回(15 RPM)もリクエストできるなら余裕でしょ」と楽観的に構えていました。

ところが実際に使い始めてみると、2025年12月の仕様変更で無料枠が大幅に削減 されていることが判明。現在の上限はおよそ 10 RPM 程度で、しかもこれは理論値。実際にはバースト的にリクエストを投げると、あっという間に 429 エラー(レート制限) が返ってきます。

トレード中に「分析してくれ」とボタンを押して、返ってきたのがエラーメッセージ。これはかなりストレスです。

対策: ボタンの連打防止インターバルを 30秒 に設定。 前回の分析から 30秒 以内にボタンを押しても無視するようにしました。トレードの判断において 30秒 は長く感じるかもしれませんが、無料枠で安定運用するにはこのくらいの余裕が必要です。頻繁に分析したい場合は、有料プランへのアップグレードを検討してもいいかもしれません。

② Gemini 2.5 Flash は「思考モード」がデフォルト ON

これが いちばん時間を取られたハマりポイント でした。

Gemini 2.5 Flash は Google の最新モデルで、性能も良いのですが、デフォルトで 思考(Thinking)モードが有効 になっています。このモードが ON だと、AI が最終的な回答を出す前に「思考プロセス」をテキストとしてレスポンスに含めてしまいます。

今回のツールでは Gemini に JSON 形式で結果を返してもらう仕様にしていたのですが、思考モードが ON のままだと、JSON の前に AI の独り言のようなテキストが混ざり、パースに失敗します。

エラー: Geminiの返答からJSONを取得できませんでした

何度やってもこのエラーが出て、プロンプトが悪いのかと試行錯誤しましたが、原因はモデルの設定でした。

対策: thinkingBudget: 0 を設定して思考モードを無効化。 これだけで JSON が正常に返ってくるようになり、嘘のようにスッキリ解決しました。公式ドキュメントにも記載はあるのですが、最初から気づくのは難しいポイントです。

③ モデルは gemini-2.0-flash → 2.5-flash に移行しておこう

開発初期は gemini-2.0-flash を使っていたのですが、調べてみると 2026年6月に廃止予定 とのアナウンスが出ていました。

廃止後にツールが動かなくなるのは避けたいので、途中から gemini-2.5-flash に切り替えました。今から同じようなツールを作る方は、最初から 2.5 系を選んでおくのがおすすめです。切り替え自体はモデル名の文字列を変えるだけなので、手間はほとんどかかりません(ただし、上述の思考モードの罠には注意)。


使用動作動画

実際に動いている様子を動画にしました。ボタンを押してから数秒で AI の分析結果がチャート上に表示される流れを確認できます。


作ってみた感想 ── AI × AI の可能性

振り返ってみると、自分がやった作業は本当にシンプルでした。

  • 「こういう機能がほしい」と Claude に説明する
  • エラーが出たら Claude に相談する
  • Gemini の API 仕様を調べてパラメータを調整する

コードそのものは Claude がほぼ全部書いてくれたので、私の作業は実質 「企画」と「テスト」と「トラブルシューティング」 だけです。

これまで「プログラミングができないとツールは作れない」と思い込んでいましたが、その壁は確実に低くなっています。もちろん、できあがったコードの中身を完全に理解しているわけではありません。でも、「何をしたいか」を明確に伝えられれば、AI がそれを形にしてくれる。これは間違いなく、個人トレーダーにとって大きな武器です。

AI が AI を呼び出すツールを、AI に作ってもらう ── ちょっとシュールですが、これが 2025〜2026年のリアルです。興味がある方はぜひ試してみてください。


免責事項・投資リスクについて

  • 投資助言の否定: 本記事は筆者の個人的な見解や制作記録の紹介を目的としており、投資の勧誘や特定の銘柄・通貨ペアの売買を推奨するものではありません。
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  • AI 判定の限界: 本ツールの AI による分析結果は参考情報であり、将来の相場を保証するものではありません。AI の判定を過信せず、あくまで判断材料のひとつとしてご活用ください。
  • 最終判断: 投資の最終決定は、必ずご自身の判断と責任において行ってください。

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