この記事は、単なる「Claude批判」ではなく、私が実際にAIコーディング用途で使い比べたうえで、サブスクAIに何を求めるのかを整理するための記録です。
この記事でわかることは、主に次の3つです。
- Claudeを高く評価していた私が、なぜ継続利用に迷い始めたのか
- AIコーディングで「賢さ」以上に重要だと感じた運用面の問題
- Google AI PROへ戻るかどうかを判断するための比較軸
前提として、私はClaudeの性能そのものを否定したいわけではありません。むしろ、コードの読み取りや指示への忠実さでは今でも非常に頼れる存在だと感じています。だからこそ、使用制限や告知の不透明さが作業体験に与えるダメージを、かなり重く見ています。
2026年4月某日
「天下のGoogleが出した最新モデルなら間違いないはずだ」——そう信じていたGoogle AI PRO(Gemini)を解約し、コード生成の賢さを求めてClaudeへ乗り換えたのがつい最近のことです。
https://tetsu-blog.net/posts/google-ai-pro-cancellation/
こんにちは、てつです。
以前の記事でも書いた通り、私はGeminiの「頼んでもいないコード全体を勝手に書き直す」独りよがりな挙動や、私が使っているAntigravity環境での絶望的な相性の悪さに見切りをつけました。
乗り換え先のClaude(Anthropic)は、コードの構造を深く理解する能力や指示への忠実さが極めて高く、あのデバッグ地獄を一瞬で解決してくれた素晴らしい相棒でした。
しかし現在、私は Google AI PROへの「出戻り」を真剣に検討しています。
知能の高さだけではカバーしきれない、Anthropic社の不誠実な運営方針と、実作業が完全にストップしてしまうエグすぎる使用制限。今回は、私がClaudeの継続を躊躇し、再びGoogleへ戻ろうとしている決定的な理由を赤裸々に語ります。
①事前告知なし(サイレント)で実施されたエグすぎる使用制限と不誠実な公式対応
最大の決定打は、2026年3月下旬に発生したClaudeの 「極端な使用制限のサイレント強化」 です。
ある日突然、ほんの30分ほどコーディングをしただけ&1回のラリーで「使用制限に達しました」と声が上がるようになりました。私も、すぐに制限に引っかかると感じるようになりました。最初はシステムのバグかと思いましたが、実はAnthropicが需要急増を管理するため、有料プラン(ProやMax)のピーク時間帯(PT 午前5時(日本時間 午後10時〜PT 午前11時(日本時間 午前3時)における制限消費スピードを意図的に速める調整を、 事前の告知なしに密かに行っていた のです。
さらに酷かったのはその後の対応です。ユーザーからの問い合わせに対し、サポートは当初「制限の問題は発生していない」とガスライティングのような対応をしていました。その後、Reddit等のコミュニティで炎上して初めて、公式が事後報告の形で声明を出したのです。その際にも「影響を受けるのは約7%のユーザーのみ」と弁明したことで、日中の仕事で使っているプロユーザーたちの怒りに油を注ぐ結果となりました。
②「課金しているのにSonnetを使え?」という矛盾
私は月額約20ドルのProプラン(あるいはより高額なMaxプラン)を、最高性能のフラッグシップモデルである「Opus 4.6」を使うために契約しています。Opus 4.6の100万トークンのコンテキストウィンドウや、高い論理的思考力に価値を感じているからです。
しかし、前述の厳しい制限に苦しむユーザーに対し、コミュニティやガイドが推奨する対策は 「日常的なタスクには安価なSonnet 4.6やHaiku 4.5をデフォルトで使え」 というものです。
システム負荷が高いからといって、「最高性能にアクセスする権利」を売っておきながら、制限を回避したければモデルの賢さを落とせというのは本末転倒です。これでは何のために高いサブスクリプション料金を払っているのか分かりません。
https://code.claude.com/docs/en/costs
制限がキツいなら、付加価値の多いGoogle AI PROに戻るべきか?
ここで冷静に考えてみました。
「Google AI PRO(Antigrabity)も制限がキツく、指示を無視するから解約した。しかし、乗り換えた先のClaudeもサイレントでエグい制限をかけてきて数時間作業が止まるなら、一体どちらが良いのか?」
コード修正が一発で通りやすい点では間違いなくClaudeの圧勝です。しかし、どちらもすぐに制限に引っかかってフラストレーションが溜まるのであれば、Google Workspaceとのシームレスな連携や、画像・動画生成ツール、NotebookLMといった「付加価値」が圧倒的に多いGoogle AI PROの方が、総合的なメリットが大きい のではないかと思い始めました。
どうせ数回のやり取りで「数時間待て」と言われるのなら、できることが多いツールにお金を払う方が健全です。
私がAIサブスクを選ぶときに見るようになった基準
今回の件で、AIサービスを見る基準が少し変わりました。以前は「一番賢いモデルを使えるか」ばかり見ていましたが、実際に作業で使うと、それだけでは足りません。
| 判断基準 | Claudeで感じたこと | Google AI PROで期待していること |
|---|---|---|
| コード修正の精度 | 指示理解はかなり強い | Antigravityとの相性次第 |
| 制限のわかりやすさ | 体感では読みにくい | 少なくとも付加機能が多い |
| 作業停止リスク | 制限に当たると手が止まる | 他機能へ逃がしやすい |
| 料金への納得感 | 高性能モデルを使えない時間がつらい | AI以外の機能も含めて判断できる |
特に大きいのは、制限に当たったあとに何ができるかです。Claudeで作業が止まると、基本的には待つしかありません。一方でGoogle AI PROなら、GeminiだけでなくNotebookLM、画像・動画系の機能、Googleサービスとの連携など、別の用途に切り替えやすい。ここは月額課金の満足度にかなり影響します。
③なぜ「ChatGPT」という選択肢はないのか?(戦争・軍事利用への懸念)
「コード生成なら王道のChatGPT(OpenAI)を使えばいいのでは?」と思う方もいるでしょう。
しかし、私は個人的な信条としてChatGPTを使用するつもりはありません。最大の理由は、OpenAIの軍事利用に対する姿勢です。
最近の報道でも明らかになりましたが、Anthropicは米国防総省から「制限のないAIの利用」を求められた際、大量監視や完全自律型兵器に使われることを懸念してこの要求を拒否しました。その結果、トランプ大統領から「急進左派のwoke(意識高い系)企業」と非難され、政府機関での使用停止や「サプライチェーンリスク」の指定まで受ける事態となりました。
このAnthropicの対応は、とても評価できます。
問題はその直後です。Anthropicが排除されたわずか数時間後に、OpenAIは国防総省と機密ネットワーク向けのAI提供契約を締結したのです。皮肉なことに、その契約にはAnthropicが求めていたのと同じ「大量監視や自律型兵器の禁止」が含まれていたとされていますが、自社のシェア拡大のために軍事機関(戦争)にすり寄るOpenAIの姿勢には強い抵抗を覚えます。
どれだけ技術が優れていようと、そういった企業にお金を払い続ける選択肢は私にはありません。
※あくまで、私自身の考えです。
結論:知能を取るか、付加価値と使い勝手を取るか
Claudeの「コード生成の賢さと指示への忠実性」は今でも最高峰だと思っています。しかし、サイレントでの制限強化や、事後報告の不誠実な運営姿勢によって、仕事の相棒としての信頼は大きく揺らぎました。
AIツールは「賢ければそれでいい」というフェーズを終わりつつあります。サービスとしての透明性や、ストレスなく使える環境が伴わなければ意味がありません。
しばらくはClaudeの様子を見ますが、このエグい制限が改善されないようであれば、付加価値の豊富な Google AI PROへの出戻り を本格的に実行しようと思います。
皆さんは最近のAIツールの「制限」、どう乗り切っていますか?